インフルエンサープラットフォーム比較|選び方と募集・管理機能
インフルエンサープラットフォームを比較したいが、そもそも代理店に頼むべきか、プラットフォームを使うべきかも決まっていない。この記事は、そうした段階にある企業のマーケティング担当者に向けたものです。どちらも一長一短があり、目的や社内の運用体制によって向き不向きが分かれるため、比較軸を整理して自社に当てはめて考えることが重要です。
インフルエンサー発注プラットフォームとは、企業がシステム上でクリエイターを検索・比較し、直接発注できるサービスの総称です。この記事では、代理店との違いと、プラットフォームを比較する際のポイントを解説します。
発注プラットフォームとは何か
発注プラットフォームは、企業がクリエイターのプロフィールや実績を検索し、条件に合うクリエイターへ直接依頼できる仕組みです。代理店を介さない分、企画や進行を自社で担う形になる一方、進行状況を管理画面で確認しやすい点が特徴とされています。費用の建て方もサービスごとに異なり、投稿ごとの固定報酬のほか、再生数に応じた費用で発注できる方式を備えたものもあります。
代理店とプラットフォームの違い
| 項目 | 代理店型 | プラットフォーム型 |
|---|---|---|
| 企画立案 | 代理店が担当 | 企業側が主体で行う場合が多い |
| クリエイター選定 | 代理店が推薦 | 企業がシステム上で自ら選定 |
| 費用の透明性 | 見積もり内訳次第 | システム上で単価が可視化されやすい |
| 進行スピード | 打ち合わせを挟むため時間がかかる場合がある | システム上で完結し、比較的早い |
| 向いている企業 | 企画ノウハウが少ない企業 | 自社で企画・運用ができる企業 |
依頼先全体の比較観点はインフルエンサー会社の選び方の記事でも整理しています。所属事務所やキャスティング会社を含めた依頼先の4類型は、インフルエンサー事務所と依頼先の違いで比較しています。
プラットフォームを比較する際の3つのポイント
プラットフォームごとに機能や費用の建て方が異なるため、比較軸を先に決めておくと検討が進めやすくなります。特に重要なのが以下の3点です。
対応する費用体系
プラットフォームによって、固定費型・成果報酬型・再生数課金型のどれに対応しているかが異なります。認知拡大が目的なら固定費型対応、費用対効果を重視するなら再生数課金型対応のプラットフォームが候補になりやすいです。再生数課金の仕組みは再生数課金の記事で詳しく解説しています。複数の費用体系に対応しているプラットフォームであれば、施策の目的ごとに使い分けることもできます。
保有クリエイター層
メガインフルエンサーに強いプラットフォームもあれば、マイクロ・ナノインフルエンサーを多数抱えるプラットフォームもあります。自社の目的(広く認知を取るか、狭く深く届けるか)に応じて選ぶ必要があります。ジャンル特化型のクリエイターを多く抱えているかどうかも、商材との相性を左右する重要な要素です。
レポート・計測機能の充実度
再生数・エンゲージメント率などの指標をどこまで開示してくれるかは、施策の振り返りに直結します。UGC(ユーザー生成コンテンツ)としての二次活用を想定する場合は、権利関係の管理機能も確認しておくとよいでしょう。投稿の二次利用条件は契約時に文面で確認しておくことをおすすめします。投稿の収集・権利確認・広告転用を専用に扱うツールもあり、機能の種類ごとの違いはUGCツールの比較ポイントで整理しています。レポートがリアルタイムで確認できるか、案件終了後にまとめて提供されるかも、運用のしやすさに影響します。
導入後の担当者が使う手順で確認する
機能一覧だけでなく、募集から投稿確認、報酬確定、レポート出力までの一連の手順を確認しましょう。社内承認が必要なら閲覧・編集権限、複数案件を扱うなら進捗の一覧性、他のデータと合わせるなら出力できる項目が重要です。操作できる機能と、事業者が代行する作業は別なので、契約上の支援範囲も確認します。
ツール・PFの選び方比較表
| 比較軸 | 代理店型 | 汎用マッチング型PF | 再生数課金特化型PF |
|---|---|---|---|
| 企画支援 | 手厚い | 限定的 | 限定的〜一部あり |
| 費用の予測しやすさ | 見積もり次第 | 案件により幅がある | 上限予算設定で管理しやすい |
| 効果と費用の連動 | 弱い | 案件による | 強い(再生数に連動) |
| 発注スピード | やや時間がかかる | 比較的早い | 比較的早い |
代理店型との使い分けはインフルエンサー会社の選び方の記事もあわせてご覧ください。
プラットフォーム選定でよくある失敗
また、契約前にレポート内容のサンプルを見せてもらい、自社が求める指標(再生数・エンゲージメント率・コンバージョン数など)が取得できるかを確認しておくことも、導入後のミスマッチを防ぐうえで有効です。
目的別に見るプラットフォームの選び方
自社の施策目的によって、優先すべき比較軸は変わります。目的別の考え方を整理しました。
認知拡大が目的の場合
ブランドや商品を広く知ってもらうことが目的なら、保有クリエイター層の幅広さと、露出量を確保しやすい固定費型対応のプラットフォームが候補になりやすいです。メガ〜ミドル層のクリエイターを多く抱えるプラットフォームであれば、一定の露出を見込みやすくなります。
費用対効果の検証が目的の場合
限られた予算で効果を検証しながら進めたい場合は、再生数課金型や成果報酬型に対応したプラットフォームが向いています。上限予算を設定できる仕組みであれば、想定外の費用超過を防ぎながらテスト運用できます。
継続的な運用が目的の場合
複数クリエイターへの発注を継続的に行いたい場合は、発注から支払いまでの一連のフローがシステム上で完結するプラットフォームを選ぶと、運用工数を抑えられます。レポートの自動集計機能があるかどうかも、継続運用のしやすさに影響します。
プラットフォーム導入の進め方
- 目的(認知拡大・DL数増加・売上獲得など)を明確にする
- 目的に合う費用体系を提供しているプラットフォームを絞り込む
- 保有クリエイター層とレポート機能を比較する
- 小規模な予算でテスト運用し、費用対効果を検証する
- 効果を踏まえて本格運用に拡大する
小規模なテスト運用を経てから本格導入に進むことで、自社商材とプラットフォームの相性を見極めながら予算を拡大できます。
契約前に確認する項目のチェックリスト
比較の候補が2〜3社に絞れたら、機能以外の契約条件を確認します。運用が始まってから気づくと切り替えが難しい項目を中心に挙げます。
- 料金の構成:月額か、案件ごとか、再生数や成果に連動するか。手数料が別建てか、総額に含まれるか
- 最低利用期間と解約の条件、利用を止めた後のデータの扱い
- クリエイターへの報酬を誰が支払うか(企業が直接支払うか、事業者を通して支払うか)
- 個人のクリエイターへの発注で、取引条件を誰がどの方法で明示するか
- PR表記の指定や、投稿前の確認を画面上で指示・記録できるか
- 投稿URL、再生数などの報告データを出力できるか、どの形式で、いつまで保存されるか
- 社内の閲覧・承認の権限を、担当者ごとに分けられるか
- 操作の問い合わせ先と、事業者が代わりに進める作業の範囲
2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)では、個人で仕事を受けるフリーランスに業務を委託する事業者に、取引条件の明示などが求められます。プラットフォームを通す場合でも、契約の形によって誰が発注する立場になるかが変わるため、利用規約や契約書で確認しておきます。
小さく試すときに確かめる5つの観点
本格的に使う前に、1案件だけで試すと、比較表では分からない点が見えてきます。試すときは、次の観点を記録しておきます。
| 観点 | 確認すること | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 候補の集まり方 | 条件に合うクリエイターが、想定した期間で集まるか | 募集開始から候補が揃うまでの日数、候補の人数 |
| 審査・選定 | プロフィールや過去の投稿を、画面上で比べて判断できるか | 選定にかかった時間、判断に足りなかった情報 |
| 投稿前の確認 | 構成や初稿のやり取りを、画面上で記録を残して進められるか | 修正の往復回数、差し戻しの理由 |
| 報告データ | 投稿URLや再生数を、社内の集計に使える形で受け取れるか | 報告の形式、集計日、手作業で補った項目 |
| 社内の工数 | 担当者が実際に使った時間はどれくらいか | 作業ごとの時間、代行してほしかった作業 |
記録を残しておくと、別のプラットフォームや代理店と比べるときにも同じ物差しで判断できます。社内の工数は見落とされやすい項目ですが、料金が安くても担当者の作業が大きく増えるなら、総額では高くつくこともあります。
比較の結果を社内で共有するときのまとめ方
プラットフォームの導入には、費用の承認に加えて、個人情報や支払いの扱いについて社内の確認が必要になることがあります。比較の結果は、次の項目を1枚にまとめると判断を仰ぎやすくなります。
- 施策の目的と、評価に使う指標
- 比較した候補と、料金の構成(固定・連動・手数料)の違い
- 想定する総額。外部に支払う費用と、社内の担当者の作業時間を分けて書く
- 小さく試した結果と、記録した5つの観点の所見
- 推奨する候補と理由、残るリスクとその対策
特に3の社内の作業時間は、比較の結論を左右することがあります。費用の承認を取るための資料の組み立て方は、インフルエンサー施策の稟議・提案書に必要な項目で整理しています。導入後も、この1枚を半年ごとなどの区切りで見直し、目的や社内体制が変わっていないかを確認すると、使い続けるかどうかの判断がしやすくなります。
まとめ
代理店型とプラットフォーム型は、それぞれ企画支援の手厚さとコストの透明性・スピードという異なる強みを持ちます。自社に企画ノウハウがどれだけあるか、費用対効果をどこまで細かく検証したいかによって、選ぶべきタイプは変わります。
再生数に応じて費用を支払う方式を検討する場合、lit.link Boost!のように、企業が案件条件を掲載して応募したショート動画クリエイターを審査し、再生数に応じた費用で発注する募集型のサービスも選択肢の一つです。インフルエンサーマーケティング全体の基礎知識はインフルエンサーマーケティングとは何かを解説した記事にまとめています。
参考
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
- Instagramヘルプセンター「ブランドコンテンツについて」 https://help.instagram.com/116947042301556
- TikTokヘルプセンター「ブランドコンテンツの開示」 https://support.tiktok.com/ja/using-tiktok/creating-videos/disclosing-branded-content
- 文化庁「著作権」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/
- 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」 https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/
よくある質問
発注プラットフォームと代理店はどちらが安く済みますか?
一概には言えません。プラットフォームは企画や進行を自社で担う前提の料金体系が多い一方、代理店は企画支援込みの費用となるため、社内工数まで含めて比較しないと判断できません。
プラットフォーム型はどんな企業に向いていますか?
自社である程度企画・運用ができ、コストや進行状況を自分で確認しながら進めたい企業に向くとされることが多いです。
プラットフォームを比較する際のポイントは何ですか?
対応する費用体系(固定費・成果報酬・再生数課金)、保有クリエイター層、レポート機能の充実度が主な比較ポイントです。
再生数課金型のプラットフォームにはどんな特徴がありますか?
動画の再生数に応じて費用が発生するため、投稿の効果と費用が連動しやすく、費用対効果を検証しながら進めやすいとされています。
代理店とプラットフォームを併用することはできますか?
可能です。ブランディング施策は代理店、テスト運用や継続的な発注はプラットフォームというように、目的ごとに使い分ける方法があります。
この記事は「インフルエンサーマーケティングとは?始め方・費用・効果測定」の関連記事です。
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lit.link Boost編集部


