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UGCとは?CGMとの違いと企業マーケティングでの活用手順

lit.link Boost編集部公開日: 2026-09-07読了目安: 約14分

「UGCを活用したい」と社内で方針が出たものの、UGCが具体的に何を指すのか、CGMとどう違うのか、企業が何をどこまで設計してよいのかが曖昧なまま議論が進んでしまう。企業のマーケティング担当者から寄せられる相談には、この段階でつまずいているケースが少なくありません。

この記事は、UGCという言葉を社内で正しく定義し、施策として設計できる状態にすることを目的に整理しました。結論を先に書くと、押さえるべきは3点です。第一に、自然発生したUGCと、企業が依頼して作られた投稿は、景品表示法上の扱いが異なるため必ず分けて管理すること。第二に、企業が設計できるのは「投稿が生まれる導線」「検索で見つかる導線」「購買に届く導線」の3つであり、投稿数そのものを目標に据えると施策が空回りしやすいこと。第三に、投稿を自社の媒体で使う前に、権利と許諾を文書で取っておくことです。

なお、UGCという語を検索する人の中には、ゲームやメタバースのユーザー生成コンテンツについて調べている層が相当数含まれます。検索数の大きさをそのまま「企業のマーケティング需要の大きさ」と読み替えないほうが、施策の見通しを誤りにくくなります。

UGCとは消費者が自ら作って公開した投稿の総称

UGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)とは、企業ではなく消費者・利用者・ファンといった一般のユーザーが、自ら作成して公開したコンテンツの総称です。「UGCの意味」を一言で表すなら、企業が発信した情報ではなく、使った人が自分の言葉で発信した情報、ということになります。

具体的には次のようなものが含まれます。

  • SNSへの投稿(写真・テキスト・ショート動画・ストーリーズ)
  • ECサイトやレビューサイトに書かれたカスタマーレビュー
  • ハッシュタグを付けた商品の使用報告や開封投稿
  • ブログ記事、掲示板やQ&Aサイトへの書き込み
  • ファンコミュニティ内での感想や使い方の共有

企業がUGCに注目する理由

企業がUGCに関心を持つ背景には、主に3つの理由があるとされています。1つ目は、購入を検討している人が「企業の説明」より「使った人の言葉」を参照する場面が増えていること。2つ目は、企業が自社ですべての訴求パターンを制作するより、実際の使用シーンが幅広く集まりやすいこと。3つ目は、SNSでの検索やハッシュタグ閲覧が、比較検討の入口として機能する場面があることです。

ただし、これらは傾向であり、商材やターゲット層によって当てはまり方は変わります。自社の購買行動のどこにUGCが効きうるかを先に特定するほうが、検証しやすい設計になります。

UGCは「量を集めること」自体が目的になりがちです。投稿が増えても、それが検索・比較・購買のどの場面で人の目に触れるのかを設計していなければ、成果につながる経路がありません。まず「どこで使うか」を決めてから集める順番をおすすめします。

CGM・PGC・IGCとの違いは「誰が作るか」と「どこに置かれるか」で分かれる

UGCと混同されやすい言葉に、CGM・PGC・IGC・EGCがあります。特に「CGMとUGCの違い」は質問が多い論点です。結論から言えば、UGCは中身(コンテンツ)を指す言葉、CGMは場(メディア)を指す言葉で、そもそも指している対象のレイヤーが違います。

用語 正式名称 指すもの 作り手 企業の関与
UGC User Generated Content 投稿そのもの(中身) 一般のユーザー 原則なし
CGM Consumer Generated Media 投稿が集まって成り立つ場(媒体) 場は運営者、中身はユーザー 場の運営者として関与する場合あり
PGC Professionally Generated Content 専門家・制作会社が作った制作物 プロの制作者 発注者として関与
IGC Influencer Generated Content インフルエンサーが作った投稿 インフルエンサー 依頼・対価が発生する場合が多い
EGC Employee Generated Content 従業員が作った投稿 自社の従業員 雇用関係があるため事業者の表示になりやすい

レビューサイトやSNSプラットフォームはCGM、そこに投稿された1件1件のレビューや動画がUGCという関係です。社内資料で「CGM施策」と書かれている場合、口コミサイトでの評価管理を指すのか、SNS上の投稿を増やす話なのかで打ち手が変わるため、最初に確認しておくと議論の齟齬を防げます。

また、企業が制作会社に依頼して作った動画はPGCであり、UGCではありません。「UGC風動画」という言い方はこの境界をまたぐ表現なので、次の章で扱います。

自然発生したUGCと依頼して作られた投稿は分けて扱う

実務上もっとも重要な区別が、投稿の背後に「企業からの依頼や対価があるかどうか」です。見た目が似ていても、扱いはまったく異なります。

種類 依頼・対価 見た目 企業側の必須対応
自然発生のUGC なし 一般ユーザーの投稿 自社で使う場合は投稿者の許諾を取る
ギフティング(商品提供) 商品提供あり 一般ユーザーの投稿に見える 広告であることが分かる表示が必要
PR投稿・タイアップ投稿 金銭の対価あり クリエイターの通常投稿に近い 広告であることが分かる表示が必要
UGC風動画(広告素材) 制作を発注 一般ユーザーの投稿風 広告として配信する前提で表示・権利を整理

2023年10月1日に施行された、いわゆるステルスマーケティング規制(景品表示法第5条第3号に基づく指定告示)では、事業者が自ら行う表示であるにもかかわらず、一般消費者がそれを事業者の表示だと判別することが困難な表示が、不当表示として規制の対象になりました。企業が依頼・対価を伴って投稿してもらった内容は、事業者の表示にあたりうるため、広告であることが分かる表示が必要になります。

表示の方法としては、投稿本文の冒頭に「PR」「広告」「〇〇社から商品提供」といった記載を置くのが基本です。あわせて、Instagramのタイアップ投稿ラベル(ブランドコンテンツツール)やTikTokのブランドコンテンツ開示設定といった、プラットフォームが用意している機能も併用します。プラットフォームのラベルだけに頼ると、表示位置や視認性が環境によって変わる可能性があるため、本文側にも明記しておくほうが安全です。

「UGC風」という表現は、あくまで見せ方(一般ユーザーの投稿に近い作り)を指す言葉であり、表示義務を免れる根拠にはなりません。依頼して作られた投稿を、自然発生した消費者の声であるかのように見せる運用は避けてください。規制の詳細は「ステルスマーケティング規制の対象と企業側の実務対応」(/business/articles/stealth-marketing-regulation)で整理しています。

企業が設計できるのは投稿・検索・購買の3つの導線

企業がUGCに対してできることは、投稿を直接コントロールすることではありません。投稿が生まれ、見つかり、行動につながるまでの経路を用意することです。この3つに分けて考えると、施策の抜けが見えやすくなります。

導線1:投稿が生まれる経路をつくる

商品の同梱物・購入後メール・アプリ内メッセージなどで、投稿してもらう場所とハッシュタグを具体的に案内します。「投稿してください」だけでは動きにくいため、何を撮ればよいのか(使用前後、開封、使い方)を例示すると投稿の質が揃いやすくなります。

導線2:検索で見つかる状態にする

投稿が増えても、検索して見つからなければ比較検討の材料になりません。商品名の表記ゆれ(英字・カタカナ・略称)を社内で統一し、投稿依頼時にも同じ表記を案内します。ブランド名や商品名での検索の動きは、Google Search Consoleの検索パフォーマンスで確認できます。指名検索の考え方は「指名検索を増やすための施策設計」(/business/articles/branded-search-growth)で詳しく扱っています。

導線3:購買に届く受け皿を整える

投稿を見た人がたどり着く先——商品ページ、店頭、アプリストア——が、投稿の内容と食い違っていないかを確認します。動画で紹介された色やサイズが在庫切れである、キャンペーン価格が終了しているといった不整合は、投稿の効果を打ち消します。

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使う場所を先に決め、権利と許諾は文書で取る

活用場面はSNS・広告・EC・店頭の4つに分けて考える

集めたUGCをどこで使うかによって、必要な許諾の範囲が変わります。使う場所を先に決めておくと、後から許諾を取り直す手間を減らせます。

  • SNS(公式アカウントでの引用・リポスト):投稿者への確認が前提。引用形式か、素材として再編集するかで必要な許諾が変わります
  • 広告(配信素材としての二次利用):もっとも許諾範囲が広くなる用途です。詳しくは「クリエイター投稿を広告素材として使う方法」(/business/articles/ugc-video-ads)で扱います
  • EC・自社サイト(商品ページへのレビュー・写真掲載):掲載期間が長期化しやすいため、期間の定めを明確にします
  • 店頭・オフライン(POP・什器・紙媒体):オンラインでの許諾しか得ていない場合、媒体外の利用になる点に注意が必要です

許諾は使う前に文書で取るのが原則

UGCの二次利用でトラブルになりやすいのは、「本人がSNSに公開しているのだから使ってよいはず」という前提で進めてしまうケースです。公開されていることと、企業が使ってよいことは別の問題です。次の項目を、使用前に文書(DM・メール・同意フォームなど、記録が残る形)で確認しておくことをおすすめします。

確認項目 具体的に確認する内容
著作権 撮影・制作した本人か。他者が撮影した写真を投稿していないか
肖像権 本人以外が写っていないか。写っている場合その人の同意はあるか
音源 使用しているBGMが、広告利用可能なライセンスか
利用媒体 SNS・広告・EC・店頭のどこまで使ってよいか
利用期間 開始日と終了日。自動更新の有無
編集の可否 トリミング・字幕追加・尺の変更をしてよいか
取り下げ 投稿者から削除を求められた場合の対応手順
音源は見落とされやすい項目です。個人の投稿では利用できるプラットフォーム提供の楽曲でも、企業の広告素材として配信する場合は利用条件が異なることがあります。広告に転用する予定があるなら、依頼の段階で商用利用可能な音源を指定しておくと、後から差し替える手戻りを防げます。

KPIは4層で置き、UGCの増加を売上の増加と結び付けない

UGC施策のKPIは、目的の階層ごとに分けて置きます。ひとつの数字で全体を評価しようとすると、施策の良し悪しが判断できなくなります。

指標の例 データの取得元
投稿量 指定ハッシュタグの投稿数、レビュー件数 SNS検索、EC管理画面
投稿の質 商品名の記載率、使用シーンの有無、平均評価 目視での分類、レビュー集計
到達 再生数、リーチ、保存数 各プラットフォームのインサイト
行動 指名検索の表示回数・クリック、サイト流入、商品ページ到達 Google Search Console、GA4

注意したいのは、施策の前後で売上を比較しても、それだけでは因果関係を示したことにならない点です。季節要因、同時期に走っていた広告、値下げやセール、店頭配荷の変化など、売上を動かす要因はUGC以外にも多数あります。並行して実施していた施策を記録しておき、「わかったこと」と「わからなかったこと」を分けて報告するほうが、次の判断に使える材料になります。効果測定の設計は「インフルエンサーマーケティングの効果測定」(/business/articles/influencer-kpi-measurement)で詳しく扱っています。

UGC活用を始める5つの手順

  1. 目的を1つに絞る:認知を広げたいのか、比較検討時の後押しが欲しいのか、レビュー件数を増やしたいのかを決めます。複数を同時に置くと、指標も打ち手も分散します
  2. 使う場所を決める:SNSでの引用か、商品ページへの掲載か、広告素材への転用か。ここで必要な許諾範囲が確定します
  3. 表記と依頼文を統一する:商品名の表記、ハッシュタグ、撮ってほしい内容、PR表記の要否をテンプレート化します
  4. 許諾フローを用意する:確認項目を含んだ定型文と、記録の保存先を決めます
  5. 計測を先に仕込む:Google Search Consoleの登録、GA4の計測、レビュー件数の記録開始を、施策の開始前に済ませます

投稿が自然には生まれにくい商材では、この手順に加えて、ショート動画クリエイターへの発注を組み合わせる進め方もあります。lit.link Boost!では、再生数に応じた費用でクリエイターのショート動画PRを発注できます。その場合も、依頼して作られた投稿は自然発生のUGCとは別枠で管理し、PR表記を前提に運用してください。

まとめ

UGCは消費者が自ら作った投稿の総称であり、CGMは投稿が集まる場を指します。企業の実務でもっとも重要なのは、自然発生した投稿と、依頼・対価を伴って作られた投稿を分けて管理することです。後者は事業者の表示にあたりうるため、広告であることが分かる表示が必要になります。

そのうえで、企業が設計できるのは投稿・検索・購買の3つの導線です。投稿数だけを追わず、使う場所を先に決め、権利と許諾を文書で取り、KPIを4層に分けて記録する。この順番で進めると、施策の効果が判断しやすくなります。

次に読む記事として、集めた投稿を広告素材として使う方法は「クリエイター投稿を広告素材として使う方法と比較検証の設計」(/business/articles/ugc-video-ads)、インフルエンサー起用全体の基礎は「インフルエンサーマーケティングとは?仕組み・メリット・始め方を解説」(/business/articles/influencer-marketing-guide)をご覧ください。

参考

  • 消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  • 消費者庁「景品表示法」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
  • Instagram ヘルプセンター「ブランドコンテンツについて」 https://help.instagram.com/116947042301556
  • TikTok セーフティセンター/ブランドコンテンツの開示 https://support.tiktok.com/ja/
  • Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」 https://support.google.com/webmasters/answer/7576553
  • Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] トラフィック獲得レポート」 https://support.google.com/analytics/answer/9143382

よくある質問

UGCとCGMの違いは何ですか?

UGCは消費者が作った投稿そのもの(中身)を指し、CGMはその投稿が集まって成り立つメディア(場)を指す言葉です。レビューサイトやSNSがCGM、そこに投稿された個々のレビューや動画がUGCという関係になります。

企業が依頼して作ってもらった投稿もUGCと呼べますか?

実務では「UGC風動画」「UGCクリエイティブ」などと呼ばれますが、依頼や対価がある時点で自然発生のUGCとは扱いが異なります。景品表示法上は事業者の表示にあたるため、広告であることが分かる表示が必要です。

UGCを広告やECサイトで使うには何が必要ですか?

投稿者本人からの許諾が必要です。著作権(撮影者)、肖像権(写っている人)、使用する媒体・期間・編集可否の範囲を文書で確認し、口頭やコメント欄でのやり取りだけで済ませないことをおすすめします。

UGCのKPIは何を置けばよいですか?

投稿量・投稿の質・到達・その後の行動という4層に分けて置くのが実務的です。UGCが増えたことと売上が伸びたことは、前後を比べただけでは因果関係を示せないため、指標は目的別に分けて記録します。

UGCが自然に生まれない商材では使えませんか?

投稿が生まれにくい商材でも、レビュー依頼の導線設計やクリエイターへの発注を組み合わせる進め方があります。ただし依頼したものは自然発生のUGCと同じ表示・管理はできないため、区別して設計します。

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