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指名検索とは?一般検索との違いと指名検索数の調べ方

lit.link Boost編集部公開日: 2026-09-27読了目安: 約13分

「指名検索が増えたかどうか」を社内で報告しようとして、ツールによって数字がまったく違うことに戸惑った経験はないでしょうか。指名検索とは、社名・ブランド名・商品名など特定の対象を名指しする検索のことです。ただし、指名検索数を調べる道具は複数あり、それぞれが数えているものは異なります。

この記事は、ショート動画PRやSNS施策の前後で指名検索の変化を確かめたいマーケティング担当者向けです。先に結論を書くと、主指標はSearch Consoleの指名クエリ(表示回数・クリック数)に置き、キーワードプランナーは市場規模の目安、Googleトレンドは季節性と市場全体の動きの確認に使い分けます。そのうえで、施策を始める前に「比較期間」「季節性の扱い」「表記ゆれの集約ルール」の3つを決めておくことが、後から説明できる計測の条件になります。

この記事で扱うのは、指名検索の定義、一般検索との違い、調べ方、計測設計までです。指名検索を増やすための施策そのものは指名検索を増やすSNS・UGC施策の記事で扱っています。

指名検索とは、特定の名前を含む検索のこと

指名検索は、検索する人がすでに特定の社名・ブランド名・商品名・店舗名を知っていて、その名前を入力して行う検索です。「ブランド名」単独だけでなく、「ブランド名 口コミ」「商品名 使い方」「店舗名 予約」のように、名前に別の語を組み合わせた検索も含めて扱うのが一般的です。

指名検索に入れる語・入れない語を先に決める

集計を始める前に、どの語を指名検索として数えるかを決めます。ここが曖昧なままだと、担当者や月によって数え方が変わり、比較ができなくなります。

  • 入れる語:正式名称、カタカナ表記、英字表記、略称、よくある誤記、スペースの有無の違い
  • 入れる組み合わせ:名前+口コミ、名前+価格、名前+店舗、名前+使い方など
  • 分けて見る組み合わせ:名前+求人、名前+解約、名前+問い合わせ(購入検討とは目的が異なるため)
  • 除外する語:同じ名前の別の商品・地名・人名など、自社と関係のない検索

組み合わせ語まで分類しておくと、「指名検索が増えた」という結果を、購入検討の検索が増えたのか、サポートや採用の検索が増えたのかに分けて読めるようになります。

一般検索(非指名検索)との違いは「探す対象が決まっているか」

一般検索は、特定の名前を含まず、カテゴリや悩み、地域などで探す検索です。「非指名検索」と呼ばれることもあり、実務ではほぼ同じ区分として使われています。

観点 指名検索 一般検索(非指名検索)
検索語の例 「ブランド名」「商品名 口コミ」「店舗名 予約」 「保湿 クリーム」「渋谷 ランチ」「作り置き 容器」
検索する人の状態 名前を知っていて、確認や比較をしている まだ候補を探している
計測で読み取りたいこと 名前が覚えられたか、検討が進んだか 検索結果で見つけてもらえているか
影響しやすい施策 SNS・動画・広告・口コミなどでの名前の露出 記事・商品ページの内容、検索結果での見え方
注意点 同名の別物の検索が混ざることがある 市場全体の季節性の影響を強く受ける

SNS施策の効果を見るときに指名検索を使うのは、動画で名前を知った人が後から検索する行動をとらえやすいためです。一方で、一般検索の流入は記事や商品ページの検索順位の影響も受けるため、SNS施策の評価に混ぜると原因の切り分けが難しくなります。レポートでは両者を別の行に分けて書きます。

指名検索数の調べ方は、ツールごとに「数えているもの」が違う

指名検索数を調べる主な道具は、Google Search Console、Google 広告のキーワードプランナー、Googleトレンドの3つです。同じ「検索数」でも取得元と定義が違うため、数値を足したり、そのまま比べたりはできません。

ツール 数えているもの 得意なこと 主な限界 使いどころ
Search Console 自社サイトが検索結果に表示された回数とクリック数 クエリ別・日別の推移、自社への流入の確認 自社サイトが表示されなかった検索は含まれない。検索回数が非常に少ないクエリは匿名化される 施策前後の主指標
キーワードプランナー キーワードとその類似パターンが検索された月間平均回数 市場全体でのおおよその規模感 過去の平均値で、日別の変化は追えない。利用前にGoogle 広告のアカウント設定が必要 施策前の規模の把握
Googleトレンド 期間・地域内で正規化した0〜100の相対値 季節性、市場全体の関心の動き、語どうしの比較 実数ではない。検索ボリュームが小さい語は0と表示される 季節性と外部要因の確認
主指標は1つに決めます。施策前後の比較にはSearch Consoleの指名クエリを使い、キーワードプランナーとGoogleトレンドは「その変化が市場全体の動きではないか」を確かめる補助に回すと、報告の筋道が通りやすくなります。

Search Consoleで指名クエリを抽出する手順

Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでは、クエリごとの表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位を確認できます。指名クエリの抽出は次の順で進めます。

  1. 施策開始より前に、自社サイトをSearch Consoleに登録しておく
  2. 検索パフォーマンスレポートを開き、検索タイプを「ウェブ」、期間を施策の前後を含む範囲に設定する
  3. 「+フィルタを追加」から「クエリ」を選び、「カスタム(正規表現)」で指名語のリストを指定する
  4. 同じ条件で「正規表現に不一致」も確認し、一般検索の推移を別に記録する
  5. 「日付」タブで日別の表示回数とクリック数をエクスポートし、投稿日を基準に並べる

正規表現は、複数の値を縦線で区切り、全体を丸かっこで囲む書き方です。たとえば (ブランド名|ぶらんどめい|brandname|brand name) のように、表記ゆれのリストをそのまま並べます。ヘルプによると、構文はRE2で、既定は部分一致、大文字と小文字は区別されません。

Search Consoleの数値を読むときの注意

  • 検索回数が非常に少ないクエリは匿名化され、クエリでフィルタした合計には含まれません
  • 表は1,000行までしか表示されないため、ロングテールの組み合わせ語は省略されることがあります
  • 日ごとのデータは太平洋時間で集計されます。社内の売上データと日付がずれることがあります
  • データが反映されるまでに通常2〜3日かかります。投稿直後の数日は暫定値として扱います

このため、Search Consoleの指名クエリの合計は「市場全体の指名検索数」ではなく、「自社サイトが指名検索で表示された回数」と書き分けます。数値の大きさそのものよりも、同じ条件で取った推移を比べることに意味があります。

キーワードプランナーとGoogleトレンドは補助として使う

キーワードプランナーは規模感の目安

キーワードプランナーの月間平均検索ボリュームは、指定した期間と地域で、キーワードとその類似パターンが検索された平均回数です。施策前に「自社名がどの程度検索されているか」「競合カテゴリの一般語と比べてどのくらいの規模か」をつかむのに向いています。

一方で、過去の平均値であり、投稿日の前後で何が起きたかを日単位で追う用途には向きません。類似パターンがまとめて扱われるため、略称と正式名称の違いを細かく分けて見たい場合にも限界があります。

Googleトレンドは季節性と外部要因の確認

Googleトレンドの数値は、指定した期間・地域の中で正規化された0〜100の相対値です。実際の検索回数ではないため、「トレンドの値が2倍になった=検索数が2倍になった」とは読めません。検索ボリュームの小さい語は0と表示され、プライバシー保護のためのノイズが入ることもヘルプで説明されています。

使いどころは2つです。1つは、自社名やカテゴリ語の前年の同時期の動きを見て、季節による増減の大きさを確認すること。もう1つは、施策期間中にカテゴリ全体の関心が動いていなかったかを確認することです。表記ゆれは別の検索として扱われるため、ブランド名 + brandname のようにプラス記号でつなぐと、まとめた推移を見られます。

施策前後の比較は「期間・季節性・表記ゆれ」を先に決める

計測設計で決めることは、施策を始める前にしか決められないものが中心です。投稿が始まってから決めると、比較の基準になる期間のデータを都合よく選んだと受け取られかねません。

比較期間は同じ日数・同じ曜日構成でそろえる

基本は「投稿前28日」と「投稿後28日」の比較です。28日は4週間なので、曜日の構成がそろいます。Search Consoleのヘルプでも、1週間ごと・1月ごとの粒度は週末や祝日による日ごとの変動を平滑化すると説明されています。複数の投稿が数日に分かれる場合は、最初の投稿日を起点にします。

季節性は前年同期間とカテゴリ語で確認する

売れる時期に偏りのある商材では、前後比較だけでは季節の増減と施策の影響を区別できません。前年の同じ期間の指名クエリの増減率と比べる、Googleトレンドでカテゴリ語の動きを並べる、という2つの確認を加えます。前年のデータがない場合は、カテゴリ語の動きを添えるだけでも読み手の判断材料になります。

表記ゆれは集約ルールを文書にする

指名語のリストと除外語のリストを1枚にまとめ、施策の前後で同じリストを使います。途中で語を追加した場合は、比較するすべての期間に遡って同じリストで集計し直します。

決めること 決める内容の例 決めないと起きること
起点日 最初の投稿日 期間の切り方で結果が変わる
比較期間 前28日・後28日、前年同期間 短い期間の上下に振り回される
指名語リスト 正式名称・カナ・英字・略称・誤記 一部の表記だけを見て過小評価する
除外語リスト 同名の別商品・地名・人名 関係のない検索で過大評価する
組み合わせ語の分類 購入検討・サポート・採用 検索の中身が読めない
並行施策の記録 広告・セール・メディア露出・出店 変化の理由を説明できない

投稿の日時と本数が記録として残る発注方法を選ぶと、起点日の設定がしやすくなります。たとえばlit.link Boost!のように、投稿URLの提出と再生数の報告をプラットフォーム上で進める方式もその選択肢の一つです。

仮定の計算例:表記ゆれを集約すると読み方が変わる

表記ゆれの扱いで結論が変わる例を見てみます。以下は説明のための仮定の計算例です。実際の実績ではなく、読み取り方を示すためのものです。ショート動画PRの投稿前28日と投稿後28日を、Search Consoleの指名クエリの表示回数で比べた場合です。

集計対象 投稿前28日 投稿後28日 増減率
正式名称のみ 8,000 8,400 +5%
略称・カナ表記 2,000 3,600 +80%
集約後の合計 10,000 12,000 +20%
前年同期間の合計(参考) 9,000 9,450 +5%

正式名称だけを見ると+5%で、前年同期間の季節変動と同じ程度にしか見えません。しかし、動画の中で略称が使われていた場合、略称の検索が大きく動いている可能性があります。集約後の合計は+20%で、前年同期間の+5%を上回っています。

この結果から言えるのは、「前年の季節変動を上回る指名検索の変化が観測された」というところまでです。同じ期間に他の広告やセールがあれば、その影響も含まれています。動画内で使われた呼び方を確認し、指名語リストに反映したうえで次回の比較に使います。

指名検索の変化は、売上の変化とは別の指標です。検索が増えても購入が動かない場合は、検索語の中身、表示されたページ、価格や在庫を段階ごとに確認します。切り分けの手順は[再生数が伸びても売上が増えないときに確認する10項目](/business/articles/views-up-sales-flat)で整理しています。

レポートでは取得元と定義を数値の横に書く

指名検索の数値を社内で共有するときは、数値と一緒に「どのツールの、どの指標か」「どの語リストで集計したか」「どの期間を比べたか」を書きます。たとえば「Search Console/指名語リストv2/ウェブ検索の表示回数/投稿前28日と投稿後28日」といった書き方です。

指名検索は、認知から購買までのKPIのうち「検索」の層にあたります。再生数などの認知の指標、サイト流入などの送客の指標と並べて置く考え方はインフルエンサー施策のKPI設計と効果測定の記事を、動画施策全体の組み立てはショート動画マーケティングの始め方を参考にしてください。

まとめ

指名検索とは、社名・ブランド名・商品名など特定の名前を含む検索で、名前を決めずに探す一般検索(非指名検索)とは分けて扱います。指名検索数の調べ方は1つではなく、Search Consoleは自社サイトの表示実績、キーワードプランナーは市場全体の月間平均、Googleトレンドは相対的な関心の推移と、それぞれ数えているものが違います。

施策の前後を比べるときは、主指標をSearch Consoleの指名クエリに置き、比較期間・季節性の確認方法・表記ゆれの集約ルールを施策の前に決めておきます。前後の差は因果効果ではないため、並行施策の記録を添えて報告しましょう。指名検索を増やすための発信や導線の作り方は指名検索を増やす施策の記事で扱っています。

参考

  • Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」 https://support.google.com/webmasters/answer/7576553
  • Google Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): 高度なフィルタリングと比較」 https://support.google.com/webmasters/answer/17011165
  • Google Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): データの不一致に関するトラブルシューティング」 https://support.google.com/webmasters/answer/17010575
  • Google 広告 ヘルプ「キーワード プランナーの予測について」 https://support.google.com/google-ads/answer/3022575
  • Google トレンド ヘルプ「Google トレンドのデータに関するよくある質問」 https://support.google.com/trends/answer/4365533
  • Google トレンド ヘルプ「Google トレンドでの検索のヒント」 https://support.google.com/trends/answer/4359582

よくある質問

指名検索と一般検索の違いは何ですか?

指名検索は社名・ブランド名・商品名など特定の対象を名指しする検索で、一般検索(非指名検索)は「保湿 クリーム」「渋谷 ランチ」のように対象を決めずにカテゴリや悩みで探す検索です。前者は名前を知っている人の行動、後者はまだ候補を探している人の行動として分けて見ます。

非指名検索と一般検索は別のものですか?

実務ではほぼ同じ区分として使われることが多く、どちらも「特定の名前を含まない検索」を指します。社内で呼び方が混在する場合は、集計ルールの資料にどちらの語を使うかと定義を1行書いておくと混乱を防げます。

指名検索数を無料で調べる方法はありますか?

自社サイトがある場合は、Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでブランド名を含むクエリの表示回数とクリック数を確認できます。相対的な関心の推移はGoogleトレンドでも見られます。キーワードプランナーは、利用前にGoogle 広告のアカウント設定(支払い情報の入力を含む)が必要です。

Search Consoleのクエリ別の合計とグラフの合計が合わないのはなぜですか?

検索回数が非常に少ないクエリは匿名化されて表から除外され、表は1,000行までしか表示されないためです。クエリでフィルタした合計は実際より小さく出ることがある前提で、同じ条件のまま期間を比べることが大切です。

施策の前後で指名検索が増えたら、施策の効果と言えますか?

前後の差だけでは断定できません。季節性、他の広告、セール、メディア露出なども同時に動いています。前年同期間やカテゴリ語の動きと並べ、並行施策の記録を添えたうえで「変化が見られた」という表現で報告するのが無難です。

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