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ギフティングとは?インフルエンサーへの依頼・投稿条件・費用

lit.link Boost編集部公開日: 2026-08-31更新日: 2026-09-27読了目安: 約10分

商品を送ることと、投稿を確約してもらうことは別です。この記事では、ギフティングの進め方と、投稿を任意とする提供・投稿を依頼する契約の違い、選定、発送、PR表記、成果確認まで、企業担当者が決める項目を整理します。

先に押さえておきたいのは、無償で商品を提供した場合でも広告表示が不要になるとは限らない点です。投稿を条件に提供したり、投稿内容へ具体的に依頼を出したりした場合は、企業の表示として扱われる可能性があります。判断の考え方はステマ規制の記事で詳しく整理しています。

商品提供と投稿の約束を分ける

ギフティングは、商品やサービスの体験を提供する取り組みです。商品を知ってもらう機会になりますが、必ず投稿されるとは限りません。

投稿を確実に得たい場合は、媒体・本数・期限・報酬を定めた契約が必要になります。「投稿してもらえたら嬉しい」という提供と、投稿を成果物とする発注は、費用も進行も別のものとして設計します。

ギフティングと有償案件(PR案件)の違いは「投稿を成果物として約束するか」

ギフティングと並べて検討されることが多いのが、報酬を支払って投稿を依頼する有償案件(PR案件・企業案件とも呼ばれます)です。両者の違いは金銭の有無だけではなく、投稿を成果物として約束するかどうかにあります。

比較項目 ギフティング(投稿任意の提供) 有償案件(PR案件)
企業が渡すもの 商品・サービスの体験 報酬(商品提供を伴う場合もある)
投稿の扱い 任意。投稿の有無・時期は確約できない 媒体・本数・期限を契約で定める
投稿内容への関与 感想は本人に委ねる 必須要素・NG表現・確認工程を決める
PR表記 企業の関与によっては必要。迷う場合は表示する前提 広告であることの表示が必要
費用の見え方 商品代・送料・社内工数が中心 報酬に加え、確認・進行・二次利用の費用
向く目的 相性の確認、関係づくり、使用感の把握 本数や公開時期を計画どおりに揃えたい施策

実務では、まずギフティングで商品と相性の良い発信者を見つけ、反応の良かった人に改めて有償案件として依頼する進め方もあります。有償案件の種類や報酬の決まり方はPR案件とは?企業案件の種類・流れ・報酬で解説しています。新商品の発売に合わせて投稿を集めたい場合の設計は新商品PRでUGCを集める進め方も参考にしてください。

「無償だからギフティング、有償だからPR案件」という区別だけで広告表示の要否は決まりません。投稿を条件にした提供や、投稿内容への具体的な指示がある場合は、無償でも企業の表示として扱われる可能性があります。

依頼先を選び、受け取れるか確認する

普段の投稿内容と商品の利用場面が合う人を探します。規模の大きさだけで判断せず、投稿の雰囲気、商品の説明方法、視聴者とのやり取りを見ましょう。

連絡では企業名、商品、提供目的、投稿が任意か依頼か、報酬の有無、希望時期を伝えます。住所などの配送情報は受取意思を確認したうえで、必要な範囲で扱います。

最初の連絡で「投稿は任意か、依頼か」を明記すると、その後のやり取りが短くなります。任意と伝えたうえで投稿を強く求めると、相手の負担になるだけでなく、実質的に投稿を条件とした提供とみなされる余地も生まれます。任意なら任意、依頼なら条件と報酬を提示する、と最初に切り分けます。

発送・制作・確認の予定を組む

商品の到着、試用、制作、確認、公開までの日数を確保します。食品なら賞味期限や保存方法など、商品に応じて必要な情報を事前に共有しましょう。

投稿を依頼する場合は、企業として必須の情報と本人の感想を分け、確認担当と修正範囲を決めます。自然な伝え方を重視する場合も、広告であることが伝わらなくてよいわけではありません。

商品代以外の費用も見積もる

予算には、商品代と送料のほか、選定、連絡、発送管理、制作確認、レポート、報酬、二次利用料など、実際に発生する項目を含めます。商品提供だけの施策も、企業側の作業がなくなるわけではありません。

施策の条件 決めておくこと
投稿を任意とする提供 提供目的、受取意思、感想の扱い。投稿の有無・時期は一律に確約できない。
投稿を依頼する契約 媒体、本数、期限、報酬、確認・修正、広告表示、二次利用。
再生数などの保証を含む契約 保証対象、期間、費用、適用条件、未達時の対応。

仮定の計算例:1投稿あたりの費用を出す

商品代だけで判断すると、実際にかかる費用を見誤ることがあります。架空の条件で試算します。実際の料金や実績ではなく、計算の考え方を示すための仮定の計算例です。

前提:小売価格4,000円(原価1,600円)の商品を30名へ提供。送料は1件600円。担当者の作業は選定・連絡・発送手配・投稿確認で合計20時間、社内単価3,000円で換算。投稿は任意とし、報酬は支払いません。結果として18名が受領し、12名が投稿したとします。

  • 商品原価:1,600円 × 30名 = 48,000円
  • 送料:600円 × 30件 = 18,000円
  • 社内工数:3,000円 × 20時間 = 60,000円
  • 合計:126,000円

投稿1本あたりに換算すると、126,000円 ÷ 12本 = 10,500円です。商品原価だけで見た1本あたり4,000円(48,000円÷12本)とは差が出ます。投稿率を高く見込むほど1本あたりの金額は下がりますが、投稿は任意であるため、見込みどおりに投稿されるとは限りません。予算を組む段階では、投稿本数を保守的に置いた場合の1本あたり費用も出しておくと判断しやすくなります。

投稿数・視聴・サイト行動を分けて確認する

提供数、受領数、投稿者数、投稿本数を分けて記録します。「投稿率」を使う場合は、受領者数を分母にするのか、発送対象者数を分母にするのかを揃えましょう。

さらに、対象投稿の再生、検索、サイト訪問など、目的に応じた指標を確認します。販売条件や他の施策も記録し、投稿数だけで売上貢献を判断しません。

PR表記と利用条件を確認する

商品提供のみの場合でも、依頼の経緯や企業の関与によって広告表示の判断が変わります。消費者庁のQ&Aを参照し、企業の広告である場合は明瞭に伝えます。投稿を自社サイトや広告で使いたい場合は、利用先・期間・編集・追加料金を別途確認しましょう。

各媒体には、企業とのタイアップであることを示す公式の表示機能があります。Instagramのタイアップ投稿ラベル、TikTokのブランドコンテンツ表示などの使い方はタイアップ投稿ラベルの記事で整理しています。媒体の表示機能と本文中の「#PR」などの表記は、どちらか一方で足りるとは限らないため、案件ごとに運用を決めます。

表示の判断は「無償かどうか」ではなく、企業の表示と言えるかどうかで決まります。無償提供でも、投稿を条件にしていた、投稿内容へ具体的な指示を出した、といった事情があれば広告表示が必要と判断される場合があります。迷う場合は表示する前提で設計し、依頼文の段階で表記方法まで合意しておくと確実です。

よくある誤解

誤解1:無償だからPR表記はいらない

金銭の授受がなくても、企業が投稿を依頼していれば企業の表示として扱われる可能性があります。景品表示法の指定告示(2023年10月1日施行)に基づく判断であり、無償・有償の区別だけで決まるものではありません。

誤解2:商品を送れば必ず投稿してもらえる

投稿を任意とする提供では、受け取ったうえで投稿されないことも起こります。確実な投稿本数が必要な施策では、投稿を成果物とする契約に切り替えます。

誤解3:投稿された素材は自由に使える

投稿の著作権や肖像の扱いは、提供によって自動的に企業へ移るものではありません。自社サイトや広告で使う場合は、利用先・期間・編集可否・追加料金を個別に合意します。

誤解4:フォロワーが多いほど成果が出る

規模が大きいほど表示は増えやすい傾向がありますが、商品の利用場面と投稿内容が合っていなければ関心につながらない場合があります。選定基準の考え方はマイクロインフルエンサーの選び方を参考にしてください。

発注前チェックリスト

確認事項 決めておく内容
提供の性質 投稿は任意か依頼か。依頼なら報酬と成果物を明記したか。
対象者の選定基準 商品の利用場面、投稿ジャンル、過去のPR投稿の様子。
連絡文面 企業名、商品、目的、任意/依頼の別、報酬、希望時期を含めたか。
個人情報の扱い 配送先情報の取得範囲、保管期間、削除の手順。
発送管理 発送日、追跡番号、受領確認、未着時の対応。
商品に応じた注意 賞味期限、保存方法、使用上の注意、対象年齢など。
広告表示 媒体の表示機能と本文表記の運用、表示位置、確認担当。
投稿内容の確認 事前確認の有無、修正依頼できる範囲、確認の期限。
二次利用 利用先、期間、編集可否、追加料金。
計測 提供数・受領数・投稿数の記録方法、参照する指標。
記録の保存 やり取りの履歴、合意内容、投稿のスクリーンショット。

依頼文そのものの作り方はDM依頼の記事で例文とともに整理しています。

まとめ

ギフティングは商品・サービスの体験を提供する取り組みで、投稿を任意とする提供と、投稿を成果物として依頼する有償案件(PR案件)は条件が異なります。依頼先の選定、発送・確認のスケジュール、商品代以外の費用、PR表記と利用条件をそれぞれ決めておくことで、公開後の行き違いを減らせます。

費用は商品代だけでなく、送料と社内工数まで含めて1投稿あたりに換算すると、他の施策と比べやすくなります。

クリエイターの選び方はマイクロインフルエンサーの選び方、依頼文の作り方はDM依頼の記事もあわせてご確認ください。

参考

  • 消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  • 消費者庁「景品表示法」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
  • e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134
  • Instagramヘルプセンター「ブランドコンテンツについて」 https://help.instagram.com/116947042301556
  • TikTokヘルプセンター「ブランデッドコンテンツについて」 https://support.tiktok.com/ja/using-tiktok/creating-videos
  • YouTubeヘルプ「有料プロモーションの追加」 https://support.google.com/youtube/answer/154235

よくある質問

ギフティングとは何ですか。

商品やサービスを無償または一部負担で提供し、インフルエンサーに感想やレビューを投稿してもらう手法です。謝礼なしで実施されることが多いのが特徴です。

ギフティングは無償なら何をしても問題ないですか。

無償でも投稿を条件に商品提供している場合は企業の依頼による表示とみなされ、PR表記が必要になるケースがあります。詳細は最新のガイドラインをご確認ください。

ギフティングと有償案件(PR案件)はどう使い分ければよいですか。

商品との相性の確認や関係づくりから始めたい場合はギフティング、投稿本数や公開時期、特定の訴求を契約で定めたい場合は有償案件が向いています。ギフティングで反応の良かった人に有償で依頼する進め方もあります。

ギフティングした商品は必ず投稿してもらえますか。

投稿を必須としない提供もありますが、投稿を期待する旨を伝えて商品を送った場合は、投稿の依頼と評価されPR表記が必要になることがあります。投稿本数を計画どおりに揃えたい場合は、投稿を成果物とする有償契約が適しています。いずれの場合も、投稿するときの表記方法は送付時に伝えておきます。

ギフティングの費用は商品代だけで済みますか。

商品代のほかに、送料、選定や連絡にかかる工数、発送管理、投稿内容の確認、レポート作成などが発生します。二次利用を希望する場合は別途の利用料が必要になることもあります。

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