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SNSマーケティングとは?主な手法と始め方・KPIを解説

lit.link Boost編集部公開日: 2026-09-27読了目安: 約13分

SNSマーケティングとは、X、Instagram、TikTok、YouTube、LINEなどのソーシャルメディアを使って、商品やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらい、購入や継続利用につなげる取り組みの総称です。自社アカウントでの発信だけでなく、SNS広告、インフルエンサーやクリエイターへの依頼、利用者の投稿(UGC)の活用なども含みます。

この記事は、これからSNSマーケティングに取り組む企業の担当者や、施策の全体像を社内で整理したい担当者に向けたものです。先に結論を書くと、SNSマーケティングは「どの手法を使うか」より先に「何のために、誰に、何を指標にするか」を決めると進めやすくなります。手法は目的に合わせて組み合わせるもので、一つの手法だけで全ての目的を満たそうとしないことが要点です。

この記事では、SNSマーケティングの定義と主な6つの手法、媒体ごとの利用状況の公表データ、始め方の5ステップ、目的別のKPI、運用体制とPR表記の注意点を扱います。手法ごとの費用の違いはSNS施策の費用相場と課金方式の比較、動画の企画と運用はショート動画マーケティングの始め方で詳しく解説しています。

SNSマーケティングは「発信・拡散・会話・計測」を組み合わせる取り組み

SNSマーケティングは、企業からの発信に加えて、利用者同士の共有や会話が起きる場を使う点が、テレビCMやWebサイトなど一方向の媒体と異なります。企業の投稿が利用者に共有されたり、利用者の投稿を見た別の人が商品を調べたりと、情報の広がり方に利用者の行動が関わります。

そのため、SNSマーケティングでは次の4つを組み合わせて考えます。

  • 発信:自社アカウントや広告で、企業が伝えたい情報を届ける
  • 拡散:クリエイターの投稿や利用者の共有によって、企業のアカウントの外にも情報を届ける
  • 会話:コメントやメッセージへの返信、利用者の投稿への反応を通じて関係をつくる
  • 計測:SNS上の反応と、サイト訪問・検索・購入などSNSの外の行動を合わせて確認する

SNS広告との違い

「SNSマーケティング」と「SNS広告」は混同されやすい言葉です。SNS広告は、SNS上の広告枠に費用を払い、配信する相手や期間を指定して表示する手法で、SNSマーケティングの手法の一つにあたります。SNS広告の市場について、株式会社CARTA HOLDINGS・株式会社電通・株式会社電通デジタル・株式会社セプテーニが2026年3月5日に公表した「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」では、2025年のソーシャル広告費は1兆3,067億円(前年比118.7%)とされています。

SNSマーケティングの主な手法は6つ

SNSマーケティングの手法は、大きく6つに分けられます。手法ごとに、向く目的、必要な社内体制、費用の発生の仕方が異なります。

手法 主な目的 必要な体制 費用の発生の仕方
自社アカウント運用 継続的な情報発信、ファンとの関係づくり 企画・制作・投稿・コメント対応を続ける担当者 主に人件費・制作費。外注すれば委託費
SNS広告 配信する相手と量を指定した認知・集客 広告の設定と、配信結果を見て調整する担当者 広告配信費(表示・クリックなどに応じた課金)
インフルエンサー・クリエイターPR 第三者の視点での商品紹介、新しい層への到達 依頼先の選定、条件の提示、投稿前の確認 報酬(固定・再生数連動・成果連動など)と商品提供
UGC活用 利用者の声を、検討中の人に届ける 投稿の収集、利用の許諾、権利の管理 収集・管理の工数やツール費
キャンペーン 短期間での参加・投稿・フォローの促進 企画、応募条件の設計、当選者対応 景品・運営費。景品表示法の景品規制の確認が必要
ソーシャルリスニング 利用者の声や評判の把握、企画への反映 投稿を集めて読み、社内に共有する担当者 分析の工数やツール費

手法は目的で組み合わせる

6つの手法は、一つを選ぶものではなく、目的に応じて組み合わせるものです。たとえば新商品の発売では、クリエイターPRや広告で認知を取り、自社アカウントで商品の詳しい情報を届け、ソーシャルリスニングで利用者の反応を確かめる、といった組み合わせが考えられます。インフルエンサー施策の全体像はインフルエンサーマーケティングとは?始め方・費用・効果測定、利用者の投稿の扱い方はUGCとは?企業マーケティングでの活用手順で整理しています。

💡 手法を決める前に「今いちばん足りないのは、知られていないことか、比べられていないことか、買われていないことか」を1つに絞ると、使う手法と指標が選びやすくなります。

媒体の選び方は、届けたい相手の利用状況から考える

SNSの媒体は、利用者の年代や使われ方が異なります。総務省情報通信政策研究所が2025年6月に公表した「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、主なソーシャルメディア系サービスの利用率が次のように示されています(調査期間は2024年12月2日〜8日、全国の13歳〜79歳の男女1,800人が対象)。

サービス 全年代 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代
LINE 91.1% 93.6% 97.7% 97.9% 94.8% 94.5% 91.1% 71.8%
YouTube 80.8% 95.7% 97.2% 97.9% 91.8% 83.0% 71.2% 43.3%
Instagram 52.6% 75.0% 78.0% 70.5% 67.0% 52.7% 34.7% 10.4%
X(旧Twitter) 43.3% 62.1% 78.0% 61.6% 48.7% 43.6% 22.1% 8.1%
TikTok 33.2% 65.7% 58.7% 39.7% 39.9% 25.5% 18.8% 8.7%

利用率は「その媒体を使っている人の割合」であり、企業の投稿が届きやすいかどうかとは別の指標です。媒体を選ぶときは、利用率に加えて、その媒体でどのような情報が探されているか、自社が継続して作れる投稿の形式(写真、短尺動画、長尺動画、文章)と合うかを確認します。

媒体ごとの使われ方の違い

  • LINE:友だち登録した利用者へのメッセージ配信に使われ、既存顧客への案内や再来店・再購入の促進と相性があります
  • YouTube:長尺動画での詳しい解説と、YouTubeショートでの短尺動画の両方を使えます
  • Instagram:写真や短尺動画(リール)、ストーリーズなど形式が多く、見た目で選ばれる商材と相性があります
  • X:短い文章での情報発信と、投稿の共有(リポスト)による広がりが特徴です
  • TikTok:「おすすめ」フィードを通じて、フォロワー以外の利用者にも動画が表示されることがあり、短尺動画での発見のきっかけづくりに使われます。企業向けの始め方はTikTok for Businessとは?広告と運用の始め方で解説しています

SNSマーケティングの始め方5ステップ

初めてSNSマーケティングに取り組む場合は、次の5つのステップで進めます。

  1. 目的と指標を決める:SNSで達成したいことを1つに絞り、それを測る指標を決めます。「認知を広げる」なら再生数やリーチ、「購入につなげる」なら専用リンク経由の購入数などです
  2. 届けたい相手と媒体を決める:年代や関心、商品を使う場面から届けたい相手を具体的にし、その相手がよく使う媒体を1〜2つ選びます
  3. 手法の組み合わせを決める:自社アカウント運用、広告、クリエイターPRなどから、目的と予算、社内体制に合うものを選びます
  4. 運用のルールと体制を決める:投稿の承認の手順、コメントへの対応方針、トラブル時の連絡体制、PR表記のルールを文書にします
  5. 計測して見直す:決めた指標を定期的に確認し、反応のよかった投稿や手法に予算と時間を寄せていきます

ステップ1で決める目的の例

目的が曖昧なまま始めると、投稿の良し悪しを判断できず、続ける理由も説明しにくくなります。目的は「誰に」「何を」「どうしてほしいか」を含めて書きます。たとえば「30代の共働き世帯に、平日の夕食づくりが短くなることを知ってもらい、商品名で検索してもらう」のように書くと、使う媒体、投稿の内容、見る指標が決まってきます。

目的別のKPIの置き方

SNSマーケティングのKPI(重要業績評価指標)は、目的の段階ごとに分けて置きます。SNS上の数字だけで判断せず、サイトや売上の数字とあわせて確認することが大切です。

目的の段階 KPIの例 数字の取得元
認知 リーチ数、インプレッション数、再生数 各SNSのインサイト・広告管理画面
興味 プロフィールへの遷移、保存数、フォロワーの増加数 各SNSのインサイト
比較・検討 指名検索数、サイト訪問数、商品ページの閲覧数 Search Console、アクセス解析ツール
購入 専用リンクやクーポン経由の購入数、問い合わせ数 アクセス解析ツール、ECの管理画面
継続・推奨 再購入率、利用者の投稿(UGC)の数、LINEの友だち数 顧客データ、ソーシャルリスニング

指名検索は、SNSで商品を知った人が検索で詳しく調べる行動を捉える指標で、SNSの効果を外側から確かめる手がかりになります。調べ方は指名検索とは?指名検索数の調べ方、インフルエンサー施策のKPI設計はインフルエンサーマーケティング効果測定のKPI設計と手順で詳しく扱っています。

⚠️ フォロワー数や「いいね」の数は分かりやすい一方、購入や問い合わせとの関係が見えにくい指標です。目的が購入なら、SNS上の反応の数字は途中経過として扱い、最終的な判断はサイトや売上の数字で行います。

運用体制と社内ルールを先に決める

SNSマーケティングは、始めることよりも続けることに工数がかかります。担当者が一人で抱え込むと、投稿が止まったり、判断が遅れたりしやすくなります。始める前に、次の項目を決めておきます。

  • 投稿の方針:伝えること、伝えないこと、言葉づかいのトーン
  • 承認の手順:誰が作り、誰が確認し、誰が公開するか。急ぎの投稿の扱い
  • コメント・メッセージへの対応:返信する範囲、個別対応に切り替える条件、問い合わせ窓口
  • トラブル時の対応:批判的な反応が広がったときの連絡先、判断する人、投稿を止める基準
  • 数字の報告:どの指標を、どの頻度で、誰に報告するか

外部に運用を委託する場合も、投稿の方針や承認の手順、トラブル時の判断は自社で持ちます。委託先に任せる範囲(企画、制作、投稿、コメント対応、分析)を契約で明確にし、アカウントの管理権限を自社に残しておきます。批判的な反応が広がったときの備えは、インフルエンサーの炎上リスクと対策も参考になります。

PR表記とステマ規制は全ての手法に関わる

2023年10月1日から、事業者が表示内容の決定に関与した表示で、一般消費者が広告であることを判別しにくいものは、景品表示法の不当表示(いわゆるステルスマーケティング)として規制されています。SNSマーケティングでは、次のような場面が関わります。

  • インフルエンサーやクリエイターに、報酬や商品提供を伴って投稿を依頼する場合
  • 利用者に特典を渡して、投稿やレビューを依頼する場合
  • 社員や関係者が、立場を明かさずに自社商品を紹介する場合

いずれも、広告であることが分かる表示を依頼の条件に入れ、公開後に表示を確認する体制を用意します。キャンペーンで景品を出す場合は、景品表示法の景品規制も確認が必要です。規制の要件と社内の確認体制はステマ規制とは?企業が守るPR表記の要件で詳しく解説しています。

SNSマーケティングでつまずきやすい点

最後に、始めてから起こりやすいつまずきと、その対処を整理します。

  • 投稿を続けることが目的になる:月の投稿本数だけを目標にすると、反応の分析や改善が後回しになります。本数とあわせて、目的の指標を定期的に確認します
  • 全ての媒体に同時に手を広げる:媒体ごとに投稿の形式や使われ方が違うため、同じ内容を全媒体に出しても反応が分散しがちです。最初は1〜2媒体に絞ります
  • SNS上の数字だけで評価する:再生数や「いいね」が多くても、検索や購入が動いていないことがあります。SNSの外の数字と並べて確認します
  • 依頼した投稿のPR表記を任せきりにする:表記の方法を依頼条件に書き、公開後に自社でも確認します

店舗への来店につなげたい場合の媒体の使い分けはSNS集客で来店促進するには、依頼や対価の提供を伴う口コミの扱いは口コミマーケティングとは?ステマ規制との境界で扱っています。クリエイターに短尺動画でのPRを依頼する方法の一つとして、lit.link Boost!のように、企業が案件条件を掲載し、応募したショート動画クリエイターを審査して、再生数に応じた料金で発注できる募集型のサービスもあります。

まとめ

SNSマーケティングは、自社アカウント運用、SNS広告、インフルエンサー・クリエイターPR、UGC活用、キャンペーン、ソーシャルリスニングの6つの手法を、目的に合わせて組み合わせる取り組みです。始めるときは、目的と指標を1つずつ決め、届けたい相手がよく使う媒体を絞り、運用のルールと体制を決めてから進めます。

効果は、SNS上の反応の数字だけでなく、指名検索やサイト訪問、購入などSNSの外の数字と並べて確認します。依頼や対価の提供を伴う投稿には、どの手法でもPR表記が必要です。小さく始めて、反応のよかった投稿や手法に予算と時間を寄せていくことで、自社に合ったSNSマーケティングの形が見えてきます。

参考

  • 総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月) https://www.soumu.go.jp/main_content/001017160.pdf
  • 総務省「『令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』の公表」 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000125.html
  • 株式会社電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日) https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
  • 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  • 消費者庁「景品表示法」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
  • Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」 https://support.google.com/webmasters/answer/7576553

よくある質問

SNSマーケティングとSNS広告は何が違いますか?

SNS広告は、SNS上の広告枠に費用を払って配信する手法で、SNSマーケティングの手法の一つです。SNSマーケティングには、広告のほかに自社アカウントの運用、インフルエンサーへの依頼、UGCの活用、キャンペーン、ソーシャルリスニングなども含まれます。

SNSマーケティングは何から始めればよいですか?

最初に、SNSで達成したい目的と、それを測る指標を1つずつ決めます。次に、届けたい相手がよく使う媒体を1つ選び、自社アカウントの運用から始めるか、広告やクリエイターへの依頼から始めるかを、社内の体制と予算に合わせて決めます。

自社アカウントの運用は内製と外注のどちらがよいですか?

一概には言えません。投稿の企画・制作・コメント対応を継続できる担当者がいるかで判断します。外注する場合も、投稿の方針、承認の手順、問い合わせやトラブル時の対応は自社で決め、委託先に任せる範囲を契約で明確にします。

SNSマーケティングの効果はどう測ればよいですか?

目的ごとに指標を分けます。認知ならリーチや再生数、興味ならプロフィールへの遷移や保存数、比較・検討なら指名検索やサイト訪問、購入なら専用リンクやクーポン経由の購入数などを使います。SNS上の数字とサイトや売上の数字を同じ期間で並べて確認します。

インフルエンサーに依頼した投稿にはPR表記が必要ですか?

必要です。2023年10月1日から、事業者が表示内容の決定に関与した投稿で、広告であることが分かりにくいものは景品表示法の不当表示(ステルスマーケティング)に当たります。金銭の支払いだけでなく商品提供を伴う依頼も含め、広告であることが分かる表示を依頼条件に入れます。

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